クレマチス


毎年たくさんの品種が販売されて、バラとともに最も人気のある花と言ってもよいクレマチス。
雑誌等でもひんぱんに紹介されて詳しい方も多いかと思います。
何をいまさら、かも知れませんが、今回はクレマチスの紹介です。

■大輪系

鉢物としても売られている最も一般的な種類です。本州に自生しているカザグルマ(クレマチス パテンス)も交配に使われています。早咲きから遅咲きの品種まであり、札幌でしたら6月中に開花の始まる系統です。前の年に生長し、冬を越した枝から出た芽に花を着けます(新しい若い枝にも花をつける品種が実際には多い)。旧枝に花を着けるのですからつるをバッサリ切ってしまうと、翌年は花が少なくなり、いつまでたっても大きく育たないことになります。
品種の数はすごく多くて、つるの長さもさまざまですから、使う場所に応じて選ぶことができます。また、新枝にも咲く品種が多いので、花後に切り戻すことによって、ある程度、草丈をコントロールすることができます。

■テキセンシス系
(クレマチス‘プリンセスダイアナ’)

テキセンシスという原種を中心に交配された系統です。それほどたくさんの品種を見かけませんが、ダッチェス オブ  オールバニーやグレイブタイ ビューティはおなじみの品種で、もっともよく見かけます。この系統のよいところは、完全な新枝咲きである点です。晩秋になると、地面から数十センチを残してばっさりと刈り込む管理をします。つまり毎年リセットされるので、よくある「古いつるがからまって見苦しくなった」という悩みは必要ありません。また、花はやや小さめなので、「大きな花は苦手」という方にはよいかもしれません。毎年リセットされるので、防寒対策は宿根草のように地面を思いっきりマルチングすればよいので、かなり寒さの厳しい地域でも使えると思います。
札幌では7月に開花します。

■ヴィチセラ系


(中央うつむき気味のピンク)

ヴィチセラを中心に交配された系統です。ややうつむき加減にベル型(開いている品種も多いですが)の花を咲かせるのが特徴です。花の大きさは中〜小輪で、上品な花を咲かせる品種も多いです。バラとクレマチスの組合せはおなじみですが、この系統を使われている方も多いのではないでしょうか。性質的にはテキセンシスと似たところがあり、冬前にはバッサリ切ってしまいます。
花後すぐに花の着いていない位置まで切り戻すことによって、返り咲きすることもあります。
個人的には、品種が比較的多いことも併せて、もっとも北海道らしい系統ではないかと思っています。札幌では7月に開花します。

■モンタナ系

これもおなじみの系統です。ピンクや白の品種が中心です。つるがかなり伸びる系統で10mにも達する品種もあります。札幌では6月中下旬の早咲きで、完全な旧枝咲きです。壁面やフェンスを一面に覆っているクレマチスがあったらほとんどはモンタナ系でしょう。その姿は雑誌でもよく紹介されています。
この系統を使う時は、十分なスペースを確保したいものです。もし、ある制限されたスペース内にからませたい時は剪定を行います。モンタナは大輪系と同じく「弱剪定」と紹介されていますが、花後すぐに「花をつけている旧枝を強く切り戻す」(下の方に小さな芽のかたまりを目で確認できるので、それを残す)ことで、コントロールすることができます。小さな芽のかたまりは、その後伸びて、冬前には充実し、翌年花を咲かせます。古いつるがからまるのが嫌な方も、剪定するとややすっきりします。切る時期が遅くなると、花が咲かなくなるので注意が必要です。 
冬風が強くて、吹き抜けるような場所では、冬の間に枝枯れを起こすので、植えてみて、それを数年繰り返すようであれば、難しいかもしれません。

■インテグリフォリア系
つる性となる品種もありますが、基本的には宿根草のように株立ちする系統で、宿根草の一種として庭に使うことができます。寒さにも非常に強く、基本的に全道的に植栽できるのではないでしょうか。札幌では花後すぐに地面からバッサリ切ると再び茎が立ち上がって開花します(株が充実していることが条件)。

■アトラゲネ系
アルピナやマクロペタラなど冷涼な気候に自生する種を中心に交配された品種で、旧枝咲きをします。花はうつむき加減に開花し、花色も淡い品種が多くあります。例えば、以前に使っていたウェッセルトンという品種は絶妙な水色をしていて、「この系統の色が好き」という方もおられるのではないかと思います。暑さには大変弱く、完全な寒冷地向きの系統になります。

■ヘラクレイフォリア系
インテグリフォリア系のように立ち上がる品種もありますが、もっとも花屋さんで見かけるのは、グランドカバーとして使われる品種です。小輪多花性で、大きな葉に比べて花はあまり目立ちません。

その他にも、センニンソウ(本州に自生、札幌ではおそらく7月末〜8月に開花)に代表されるフラミュラ系や黄色い花でおなじみのタングチカ系などがあります。

ほんとうにたくさんの品種があるので、庭に使われる場合は、系統の性質を理解しておくと便利でしょう。クレマチスには、ほぼラベルが取り付けられていて、系統名が書かれています。

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